感情を伴う理解へ

小さな不安はあるけど“No Problem”大丈夫! 小さな不安はあるけど”No Problem”大丈夫!

知らない世界はたくさん

先日の職員室で,

「フィリピンから輸入されるバナナ1本に,こんなにたくさんの人の努力があったなんて知らなかった。これからバナナを食べるとき,感謝してたべよう!」

と熱く語る先生がおられました。

そう感じたのは,5年生の社会の貿易の学習で,ゲストティーチャーとして海運に関わる方を招いたそうです。

バナナを輸入するということは,フィリピンで収穫されたものが日本の店頭に並ぶまで,陸上運輸,検疫,海運,税関などたくさんの人達の手を通り,鮮度を守るための技術開発があることを聞かれたそうです。

聞いている子ども達に先生の感動と同じものが伝わっているように感じなかったのは残念だけど,「バナナを輸入する」という知識だけでなく,海運や検疫,税関などの職業があることも知らなかったからと,また,当たり前に売っているバナナ,こんな値段でいいのかと感じた,多くの人の努力と情熱と責任感があることを改めて感じたから,感動したと話しておられました。

子ども達には,まだまだ知らない職業がたくさんあること,たくさんの人の工夫や努力を知る必要性があること,単なる知識ではなく,感動を伴う知識にしたいと語っておられました。

エピソードの大切さ

クイズ番組を見ていて,検索サイトを開いて「へぇー,そうなんだ」と知識が右から左へ抜けていくのではなく,実際に携わっている人の話を聞くことで,実感できたり,心を動かされたりする感情を伴う知識は,しっかりと心に刻まれます。

ドキドキしたり,感情が動き感動したりして得た知識は,確かな知識として理解され蓄えられる。

だからこそ,体験や具体的活動を重視した学習が必要なのだと文科省の方が話しておられたこともありました。

知識の限界

子ども達にとって,学校の先生は,知識を持っていてなんでも知っているように映っているのかもしれませんが,そんなはずはありません。

だからその道の専門家をゲストティーチャーとして招聘し,子ども達に専門家として生の声で語ってもらう,熱のこもった実体験や苦労話や達成感を聞くことが大切なのです。

教科書に書いてある「バナナはフィリピンからたくさん輸入しています」という短い文から,たった一本のバナナの向こう側に,輸入に関わるたくさんの職業とたくさんの人々の苦労や努力を想像できる確かな理解につながることを感じました。

私も10年以上前に,日産の工場とオンラインでつなぎ,子ども達が考えた未来の自動車についてプレゼンするという授業をしました。

その時,そこで働く人たちは,子どもだからというより,開発者という専門的視点で答えてくださいました。自動運転については,もう開発が進んでいますとか,空を飛ぶ車というアイディアには,航空管理や運航などを考え,開発に莫大な予算がかかるので,もっと小さなものを考えているとか(これが今のドローンのことだったと)子ども相手ではなく,一つのアイディアとして真摯に向き合ってもらえたことが子どもたちにとって確かな理解につながりました。

最後に

そういう点で,その教科指導の専門家が子どもたちの確かな理解のための多様な視点と実感を伴う「問い」を考え,その道の多くの専門家とつながりながら授業を展開できるという点で,教科担任制が推進されることを望みます。

教師という仕事は,知識を伝達するだけでなく,子ども達にたくさんの知らないことがあることを知らせることであり,小学校の教師には,嫌いな教科を作らない,好きなことを自分で追求することの楽しさを味わわせることが大切なのだと感じました。

その第1歩は,教師が感動を持って知識を追求しようとする態度で,子ども達の感情が動く授業こそ確かな理解へとつながることを意識していたいと感じました。

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